内痔核は排便の後などにお尻から血が出たり違和感や痛みを感じたり、中からいぼ状のものが脱出したりする病気で、慢性的な便秘や下痢がある方、仕事などで長時間座ったり立ったりしている方、妊婦さんなどに多いです。ただ、血栓性外痔核や肛門周囲膿瘍、直腸癌など他の病気でも同じような症状がでるので注意が必要です。必ず一度は専門医の診察を受け、必要に応じて精密検査を行うことをおすすめします。
内痔核と診断がついた場合、まずは生活習慣の改善を図るとともに塗り薬などを使って治療しますが、改善がみられない場合は手術を行ないます。重症の場合や外痔核を合併しているケースでは外科手術が必要となりますが、1週間程度の入院安静が必要になること、術後の痛みがしばらく続くことが難点でした。
最近では、身体にやさしい治療法として注射で痔核を固めてしまって症状を軽くする方法(ジオン法)が行われるようになりました。外科手術と比べると、日帰りもしくは1泊2日の入院で治療できる(したがって医療費も安くなる)こと、術後の痛みがずっと少ないことが大きな利点です。一方、治療が不十分になったり再発をおこす可能性が高い欠点があります。患者様の病状とご希望をうかがって最適な治療を提案いたしますので、ぜひご相談下さい。
鼠径ヘルニアは立った時やお腹に力を入れた時に下腹部の足の付け根に近い部分が膨らむ病気で、俗に脱腸と言われています。お腹を包んでいる筋肉が部分的に弱くなり、その筋肉の隙間からお腹の中の脂肪や腸が飛び出してくる病気です。通常お腹の力を抜いたり、手で押し込んだりすると元通りになります。放っておいても命に関わる病気ではありませんが、大人の鼠径ヘルニアが自然に治ることはありません。また、出っぱなしになった状態で元に戻らなくなり、痛みがひどくなる「嵌頓(かんとん)」という状態になると緊急手術が必要になることがあります。
お薬や時間経過で治る病気ではありませんので、つっぱるような痛みがあったり違和感が強かったりするなど、日常生活上支障がある場合は手術を行ないます。合成繊維製の詰め物(メッシュ)を穴に詰めて出てこないようにします。通常3泊4日の予定で入院手術を行ないます。