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ピロリ菌とは

ピロリ菌 ピロリ菌は胃の中に棲息する細菌で、胃がんや胃・十二指腸潰瘍の原因になることが証明されています。 世界的には衛生環境が悪い発展途上国での感染率が高いのですが、日本は先進国の中では例外的に高い感染率を示します。 これが日本で胃がんの発症率が高い原因と考えられています。 50歳代以上の日本人では70%以上が感染していますが、若い世代になるほど感染率は低くなります(30歳代以下では25%程度)。 また、全体的なピロリ菌の感染率も年々低下傾向にあります。

ピロリ菌の感染について

ピロリ菌の感染経路は主に経口感染と考えられています。 井戸水からの感染や幼児期の親から子供への口移しなどが原因と言われていますが、はっきりとは解明されていません。 また、現時点では感染を予防する方法もよくわかっていません。 一方、ピロリ菌に感染していても必ず胃がんや潰瘍になるわけではありません。

ピロリ菌治療の意味

従来胃・十二指腸潰瘍は再発を繰り返し、一生の病気といわれてきました。 胃酸を抑える薬の登場で手術が必要になるケースは激減しましたが、薬を止めると潰瘍が再発するため、一生薬を飲み続ける必要があったのです. しかし、現在では胃の中のピロリ菌を殺して全滅させること(除菌治療)で、胃酸を抑える薬なしでも潰瘍の再発をほぼ予防できます。 また、除菌治療に成功した場合には胃がんの発生が約1/3になるとされていますが、完全に予防できるわけではありませんので、内視鏡検査による定期的な検診が必要です。

ピロリ菌の検査

ピロリ菌がいるかどうかを調べる方法はいくつかあり、現在健康保険で検査できるのは ①迅速ウレアーゼ試験 ②鏡検法 ③培養法 ④尿素呼気試験 ⑤ピロリ菌抗体測定(血中・尿中) ⑥便中ピロリ菌抗原検査 です。

このうち①②③は内視鏡で胃の中の組織をとって調べる検査です。それぞれに利点・欠点があるのですが、個人的にはあまりおすすめしません。 最大の理由は、胃の粘膜の一部をちぎりとって調べる検査であるため(本当はピロリ菌に感染している場合でも)たまたま組織をつまんだ場所に菌がいなければ陰性の結果となってしまうからです。 また、内視鏡を入れて胃の粘膜に傷をつける必要があるという欠点もあります。

⑤の抗体検査は人間ドックでよく行われる簡便な検査ですが、除菌治療でピロリ菌がいなくなっても抗体の数値が減るのに数ヶ月かかるため、除菌結果の判定には適していません。 ⑥の便中抗原は最近開発されたもので、精度が高い一方で検体の採取と処理がやや煩雑なのが欠点です。

尿素呼気試験

尿素呼気試験検査装置 当院でおすすめしているのは④の尿素呼気試験です。最も精度が高く、かつ上で挙げた他の検査法の欠点をほぼすべてカバーしているからです。 検査薬(錠剤)を飲んで約30分後に呼気(吐く息)をバッグに採取し、呼気の中のある物質の量を調べる検査で、痛い思いをしたり、からだに傷をつける必要はありません。 測定に特殊で高価な機械が必要となるのが欠点ですが、当院では院内に検査機器を設置しておりますので、検査当日に結果を説明し、必要であれば直ちに治療を開始できます。

ピロリ菌検査の健康保険適応

ピロリ菌の検査は健康保険を使って検査できます(「保険適応」といいます)が、主な対象疾患は胃・十二指腸潰瘍と慢性胃炎(最近内視鏡検査を受けて診断された方に限ります)になります。 その他は胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、早期胃がんの内視鏡治療後のような特殊な病気や状態が保険適応となります。 これらに該当しない方でも検査を受けて頂くことができますが、全額自己負担となりますので御了承下さい。

ピロリ菌の治療

ピロリ菌を殺す治療(除菌治療)は胃酸を抑える薬と抗生物質2種類の組み合わせを朝晩2回、7日間内服します(一次除菌)。 その後約1ヶ月の間を空けてピロリ菌の検査を行い、うまく菌がいなくなったかどうかを判定します。 約9割の方がこの治療で除菌に成功しますが、失敗した場合は抗生物質の組み合わせを変えて再度治療を行います(二次除菌)。 二次除菌まで行うと 95%以上の方が成功します。 更に抗生物質の組み合わせを変えて行う場合もありますが、この場合は健康保険が使えず、全額自己負担となります。

治療の副作用について

この治療で比較的多く発生する副作用は、下痢や味覚異常、じんましんなどです。いずれも治療終了後自然に軽快していきます。 また、人によっては一時的に胸やけ症状が出ることがあります。