逆流性食道炎について
逆流性食道炎(胃食道逆流症、GERD)は胃酸が食道に逆流することで食道粘膜が炎症を起こす病気です。 日本でも食生活の変化やピロリ菌感染率の低下を背景に増加しており、現代人に多い消化器疾患のひとつです。
逆流性食道炎の症状
典型的な症状は次のとおりです。週に2回以上の頻度で症状がある場合は受診をおすすめします。
- 胸やけ(みぞおちから胸にかけての灼熱感)
- 呑酸(酸っぱい液体・苦い液体が口まで上がってくる感じ)
- 胸の痛み、つかえ感
- 喉の違和感、声のかすれ、慢性的な咳
- 睡眠中の咳・むせ
- げっぷが多い
これらの症状は狭心症や食道がん・胃がんなど他の病気でも生じうるため、自己判断せず内視鏡での確認をおすすめします。
逆流性食道炎の原因とリスク
下部食道括約筋(食道と胃の境目の筋肉)の機能低下によって胃酸が逆流しやすくなることが主な原因です。次の要因が関与します:
- 食道裂孔ヘルニア(横隔膜の隙間から胃の一部が胸側に出る)
- 肥満(腹圧上昇)
- 高脂肪食・過食・早食い
- 就寝直前の食事
- 喫煙・過度の飲酒
- ストレス
- 加齢による筋力低下
逆流性食道炎の検査と診断
確定診断には胃内視鏡検査(胃カメラ)が最も有用です。食道粘膜の炎症やびらん、潰瘍の有無を直接観察し、重症度を分類します(Los Angeles分類)。 また、症状が似ている食道がん・胃がん・バレット食道などとの鑑別が同時に行えます。
嘔吐感が気になる方は経鼻内視鏡(鼻からの胃カメラ)もご検討ください。
逆流性食道炎の治療
薬物療法
胃酸の分泌を強力に抑える プロトンポンプ阻害薬(PPI) または カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB) が第一選択となります。多くの方は服用開始後1〜2週間で症状が改善します。
症状や粘膜炎症の程度に応じて、消化管運動改善薬や粘膜保護薬を併用することもあります。
生活習慣の改善
- 食べ過ぎ・脂っこい食事を避ける
- 就寝前2〜3時間は食事をしない
- 寝るときは上半身を少し高くする
- 体重をコントロールする
- 喫煙・過度の飲酒を控える
- 前かがみの姿勢を避ける、ベルトをきつく締めない
外科治療
薬物療法でコントロールが難しい重症例や食道裂孔ヘルニアの大きな症例では、外科的な噴門形成術が考慮されることがあります。
当院での逆流性食道炎診療
当院では胃カメラによる確定診断と、薬物療法・生活指導による治療を行っています。 症状が長引いている方や、薬を中断するとすぐ再発する方は、内視鏡でしっかり評価したうえで適切な治療を継続することが大切です。
よくあるご質問
逆流性食道炎はどんな病気ですか?
胃の内容物(特に胃酸)が食道に逆流することで食道粘膜に炎症が起こる病気です。胸やけ・呑酸(酸っぱいものが上がる感じ)が代表的な症状で、慢性化することも珍しくありません。
胸やけが続いていますが受診すべきですか?
胸やけや呑酸が週に2回以上あるようなら受診をおすすめします。症状だけでは他の病気(狭心症・食道がん・膵臓がん等)との鑑別が難しいため、胃内視鏡検査及び腹部エコー検査等での確認が望ましいです。
どのような検査をしますか?
確定診断には胃内視鏡検査(胃カメラ)が最も有用です。食道粘膜の炎症の有無・程度を直接観察し、他の病気(食道がん・胃がん等)との鑑別も同時に行えます。
治療にはどのような薬を使いますか?
胃酸の分泌を抑える薬(プロトンポンプ阻害薬=PPI、もしくは P-CAB)が中心です。多くの方は服用開始後1〜2週間で症状が改善します。
生活で気をつけることはありますか?
食べ過ぎや脂っこい食事を避ける、就寝前2〜3時間は食事をしない、寝るときは上半身を少し高くする、肥満の方は減量する、喫煙・過度の飲酒を控える、などが有効です。
薬をやめても再発しますか?
逆流性食道炎は再発しやすい病気で、生活習慣の影響が大きいため、薬の中止後も症状が戻ることがあります。長期的なコントロールが必要な場合は維持療法を行います。