原因不明の体重減少について
ダイエットなどの意図がないにもかかわらず体重が減っていく場合、重大な病気が隠れている可能性があります。 特に半年〜1年で体重の5%以上が減った場合は、原因の検索が必要とされています(例:60kg → 57kg未満)。早期発見が予後に直結する病気が多いため、軽視しないことが大切です。
こんな体重減少は要注意
- 意図せず6〜12ヶ月で体重の5%以上が減少した
- 食欲不振・吐き気・嘔吐を伴う
- 黒色便・血便を伴う
- 腹痛・腹部のしこり
- 黄疸(皮膚・白目が黄色くなる)
- 嚥下困難(食事や水がつかえる)
- 持続する微熱・寝汗
- 原因不明の貧血
考えられる原因
消化器系のがん(最も重要な鑑別)
消化器の慢性疾患
- ピロリ菌感染胃炎・胃潰瘍
- 慢性膵炎・吸収不良症候群
- 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)
代謝・内分泌の病気
- 糖尿病(血糖コントロール不良)
- 甲状腺機能亢進症(バセドウ病)
- 副腎不全
その他
- 慢性感染症(結核・HIVなど)
- うつ病・摂食障害
- 認知症(食事を忘れる・拒食)
- 慢性心不全・慢性腎不全・慢性閉塞性肺疾患(COPD)
- 悪性血液疾患(白血病・悪性リンパ腫)
- 薬剤性
必要な検査
体重減少は原因が多岐にわたるため、系統的に重要な病気を除外していきます。
- 問診・診察(食欲・便通・既往歴・服薬の確認)
- 血液検査(甲状腺・血糖・肝・腎・栄養指標・腫瘍マーカー・貧血)
- 尿検査・便検査
- 胃内視鏡検査(胃カメラ)
- 大腸内視鏡検査(大腸カメラ)
- 胸腹部CT検査(がん・感染症・臓器障害の評価)
- 腹部超音波検査(肝胆膵・腹部臓器の評価)
当院での対応
当院では院内に各種検査機器を備えており、体重減少の精査に必要な血液検査・内視鏡・画像検査を効率的に進めることができます。 当院での対応が難しい疾患(血液疾患・進行がんの治療など)が判明した場合は、連携する専門病院へ速やかにご紹介いたします。
「なんとなく食欲が落ちて痩せてきた」段階で受診いただくことで、重大な病気を早期に発見できる可能性が高まります。様子見をせず、お早めにご相談ください。
よくあるご質問
どのくらいの体重減少なら受診すべきですか?
意図せずに6〜12ヶ月で体重の5%以上(例:60kgの方なら3kg以上)が減った場合は、明らかな原因の検索が必要とされています。これより少なくても、食欲不振・腹部症状を伴う場合は早めにご相談ください。
体重減少だけで他の症状はありませんが受診すべきですか?
原因不明の体重減少は、消化器がん・甲状腺機能亢進症・糖尿病・うつ病・慢性感染症などさまざまな病気のサインです。症状がなくても受診をおすすめします。
どんな検査をしますか?
血液検査(甲状腺機能・血糖・肝機能・腫瘍マーカー・栄養指標)、胃カメラ・大腸カメラ、腹部CT・腹部エコーを組み合わせて、消化器がんなど重要な疾患を順次除外します。
高齢で食欲が落ちて痩せています。年齢のせいでしょうか?
加齢による食欲低下もありますが、その背景に病気が隠れていることが少なくありません。特に消化器がん、感染症、甲状腺機能異常、認知症やうつ状態などを除外する必要があります。
ダイエット中ですが体重が落ちすぎています。問題ですか?
意図したダイエット中であっても、急激な減少(月に2kg以上のペースが続く等)、体力低下、無月経などを伴う場合は摂食障害や別の病気の可能性があります。極端な減量は健康被害を招くため、医師にご相談ください。